現在発売中!
SPA!8月26日号掲載
神功皇后論
『クマソは蛮人ではない』の
感想をご紹介します!
【まいこさん】
旧約聖書のサムソンとデリラを遥かに凌駕する日本書紀の艶なるも残酷極まる謀略の場面、圧巻でした。有名なヤマトタケルの熊襲討伐の前にも、景行天皇が行わせていた表裏比興は、軍勢が少ない側にとっては、まったくの正義。はかりごとを如何に堂々と行えるか、今まさに蠢いている世界情勢とぴったりとリンクする、善悪など吹っ飛ばす真に畏るべき物語が刻々と描き出されていることに震撼しました。
それにしても、討たれても討たれても蘇るクマソ。単なる武勇だけではない、底知れぬ豊かさを持っていたのでしょう。邪馬台国の位置や神武東征(西から東に攻め上がる)の謎解きの布石も打たれているように感じました。
タラシヒメが鴨別に授ける策への暗示、いよいよ神威に繋がるパワーを、さらに神として授ける秘密が明かされるようで心躍ります。神功皇后が夥しい数の神社に祀られているのは、自ら陣頭に立ったこともさりながら、あたかも分身の術のごとく、神の手足となって獅子奮迅の働きをした者たちがいたからなのでしょうか。胸ときめかせながら、次回をお待ちしております。
【京都のSさん】
「神功皇后論」最新回を拝読しました。ヤマトとクマソの関係がハッキリ示されました。何と軍事の面だけでなく文化の面でもヤマトよりクマソが上だったのですね。ここからの展開は、軍事的にも文化的にもヤマトが他国を圧倒しながら平定していくのでしょうから、まさに「神功皇后論」は「建国論」だと確信できました。
さて、「建国論」と言えば『ゴー宣2nd』4巻に収録された「卑弥呼こそ天照大神である」を連想します( https://www.gosen-dojo.com/blog/26565/ )。「邪馬台国=北九州」説に立てば、高天原(北九州)の女王・アマテラス(卑弥呼)の子孫が、東征して大和に入るという物語には整合性を感じます。であれば、「神功皇后論」における熊襲は狗奴国(邪馬台国と敵対した)かもしれません。「邪馬台国=奈良」説だと蝦夷などの東国が狗奴国になりますが、どうもピンときません。
驚いたのはラストのコマです。タラシヒメが吉備鴨別に策を授けるシーンで龍と鏡(三角縁神獣鏡)が浮かび上がりましたが、これはタラシヒメ(≒卑弥呼?)が「親魏倭王」になったとクマソ王に信じ込ませ、ついに文化的にも熊襲を凌駕したと思わせて服属させるのか?と推測しました。その上さらに「三韓征伐」を見せ付けられたら、熊襲は二度と邪馬台国に逆らわないでしょう。
ところで、手なずけたイチフカヤ(クマソ王の娘)に父を殺させ、凱旋したイチフカヤを景行帝が「不孝者」と罵ったシーンでは、景行帝のクズっぷりにムカつくと共に、こんな早い段階から儒教的な思想が浸透していたのか?と戦慄しました。
最後に、ポカタケルが登場して献策するシーンにはメチャ笑いました(笑)。
ヤマトは正攻法ではクマソに歯が立たなかったことや、
クマソから名を贈られることを
むしろ「名誉」と感じていたらしいということまで
古事記・日本書紀にしっかり記されている
というのが非常に興味深いところです。
さらに『神功皇后論』では、
記紀に書かれていないところまでも
よしりん先生が作家の想像力を駆使して
描いていくことになりますので、
興味は尽きません!!
感想もまだまだお待ちしてます!




















